よだんをゆるさない

　予断を許さないとは、ものごとが期待どおりに進むかどうかわからないという意味。「戦争の行方は予断を許さない」などと使う。「予断」は、あらかじめ（予め）判断すること。つまり「予測」に近いが、「予測」より「予断」のほうが強い表現となる。言ってみれば、競馬で「次は穴馬が来るに違いない」と考えるまでが「予測」、穴馬になけなしの金をぶちこんでしまった状況が「予断」となる（ちょっと、例えが悪いかもしれないが続けます）。「許す」は許可するという意味なので、「予断を許さない」は、未来はこうなると決め込むのを許可しないということ。つまり、穴馬に手持ちの金をそっくり注ぎ込もうとしている（といったって、たいした額じゃあないが）バカな友人を「ちょっと待て」と引き留めるのが「予断を許さない」である。しかしバカな友人は、「ここで賭けずに穴馬が来てしまったら、後悔してもしきれない」などというわけのわからない論法で、頭から穴馬にツッコんでしまうのである。

​​（VP KAGAMI）