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この辞典の使い方(ホーム)「あ」で始まる言葉>会う、遭う、逢うの意味、語源

カテゴリー:基本語-動詞

 

会う、遭う、逢う

あう

 会う、遭う、逢うとは、人と人、人と出来事などが接近し、人がその対象を意識、認識している状態をいう動詞。通常は「会」という漢字で表すが、偶然の出会いや災害などに巻き込まれた場合は「遭」を使い、「逢」は男女の出会いなど「濃い」接近についていう場合が多い。例えば「商談で人と会う」というのを「商談で人と逢う」とすると、ハニートラップかと疑われ、「商談で人と遭う」とすると、黒幕みたいな人が出てきてひどい目にあったのかと勘違いされる(そこまで深読みする人もいないと思われるので、ご安心を)。

「あう」は、複数のものがひとつになる、調和するといった意味の「合う」と同源だが、その語源については、「合う」の項で説明しているように、「あ」と開いた口を「う」とすぼめるとき、唇が接近するさまから来ているというへんな説を筆者は支持している。つまり、「あ」から「う」への変化のように、人と人が遠距離から近距離に近づいた状態が「あう」であり、「付く」「混じる」のように、接触したり一体化するという状態は含まれていない。「逢うは別れの始めなり」ということわざの「逢う」は、人と人が出会った後のずぶずぶべたべたな濃厚接触関係が想像されるが、少なくも「逢う」という言葉そのものは「出会い」以外何も伝えていない(勝手に妄想するのはご自由にというところだ)。「嵐に遭う」も傘もぶっとばされずぶぬれになったとしたら、接触などというなまやさしい状態ではないが、「遭う」という言葉そのものには、直面するという以上の意味はなく、旅先のホテルでガラス越しに嵐を見ながら、今日はもう一泊するしかないななどと考えていたとしても、「嵐に遭う」で通用する。

​(VP KAGAMI)

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