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何食わぬ顔

なにくわぬ

 何食わぬ顔とは、知らん顔、そ知らぬ顔のこと。「会場はヤジで騒然としたが、彼は何食わぬ顔で演説を続けた」などと用いる。つまり「ポーカーフェイス」であり、この例文の場合では、当の人物がよほどふてぶてしいか、相手の言っていることが理解できない人か、原稿をただ読んでいるだけという状況が考えられる。

「何食わぬ」の「何」は、不特定の事項を観念的に指示する代名詞。「食う」はものを食べるという意味だが、「何食わぬ顔」といっても、腹が減って呆然としている顔というわけではない。「食う」は「大目玉を食う」「カツアゲを食う」のように、外部からの働きかけをまともに受けることで、「何食わぬ顔」は、どのような働きかけも食わない、つまりどのようなことにも影響を受けない表情という意味となる。

​(VP KAGAMI)

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