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共産主義

きょうさんしゅぎ

 共産主義とは、共有財産にもとづく平等な社会を実現しようとする思想、運動をいう。…というのがまあ、理想ではあるが、これまでに「実現」した共産主義国家を見ると、次のように定義するのが妥当だと考える。共産主義とは、「共産党員とその他の人々で構成される政治体制」。この定義は、例えば「資本主義」にもあてはまり、資本主義とは「資本家とその他の人々で構成される経済体制」となる。共産党員とその他の人々、資本家とその他の人々は、西欧の政治経済体制の意識構造である「支配する者」と「支配される者」にそれぞれ当てはまる。

 私は数年前まで、鄧小平の改革開放路線以降成長しつづけていた(と見られていた)中国の様子から、共産主義と資本主義は、それぞれ政治体制、経済体制として棲み分けられているので共存が可能なのだなと考えていたが、このところの中国のザマを見ると、その認識は間違っていたと反省している。つまり、共産主義の支配者は、資本主義における資本家が支配者側に回るのを許さなかったのである。これは、現在たまたま教条主義の権化みたいな人をトップに掲げているからだけなのかもしれないが、西欧諸国より強い「支配する者、される者」という意識構造が残る限り、誰がトップに立っても変わらない気もする。昔の中国人は、モンゴル人や満州人が支配者となろうが、オレたちによほどの迷惑をかけないかぎり関係ないという意識で、経済活動や文化活動を盛んに行っていたもので、鄧小平などはそんな中国人の典型的な考えを持つ人だと思うが、現在の体制は、庶民の経済活動に首をつっこみすぎ(支配しようとしすぎ)で、自らを苦しめている。

​(VP KAGAMI)

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