top of page

危ない

あぶない

 危ないとは、危害や損失を受けそうだ、危険だ、存続できそうもない、期待できそうもない、などの意味。「危ないヤツ」は見るからに他人に危害を及ぼしそうな人。「危ない会社」は社会に危害を加えそうな会社にも、入社したら事務所の前の街路樹を全て切り倒せと命令されそうな会社にも、株を買ってはいけない会社にも受け取れる。「目標の大学進学が危なくなった」は、なんらかのトラブルが起きて試験に合格する自信がなくなったか、もともと自信がなかったがアクシデントを言い訳にしているかという姿勢がうかがえる。いずれにしても、普通にものごとが進行していればなんの問題もないものを、イカれた目付きの人物が現れたり、イカれた経営者が会社を仕切っていたり、勉強しすぎてイカれてしまったりした場合に「危ない」という状況が生まれる。

 似た言葉に「危うい(あやうい)」があり、現代では同じような使い方をされているが、本来は「危ない」が他者に危害を加えそうだという意味で、「危うい」が自分自身が壊れそうだという意味で用いられていた。実際現代でも、「危ない刑事(デカ)」というと、悪いヤツらに(ときには味方にも)危害を加える刑事を想起させ、「危うい刑事」というと、ドジばかりしていていまにも首になりそうな刑事か、情緒不安定でパニクると自分に拳銃を向ける刑事などをイメージさせる。

「あぶない(あぶなし)」の語源については、「あやうい(あやうし)」の動詞形「あやぶむ」が省略された「あぶ」に、甚(はなは)だしいという意味の接尾語「ない(なし)」が加えられた言葉だとする説などがある。

​(VP KAGAMI)

bottom of page