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味を占める

あじをしめる

 味を占めるとは、一度成功した体験を忘れずに次回も期待するという意味。江戸時代の笑話に、桃太郎が鬼ヶ島での成果に味を占め、今度は竜宮城にでも行ってみようかと再び旅に出て(誰を退治するんだか)、前回同様、「家来にならないか」と猿をきびだんごで買収しようとするが(だから、猿を家来にして誰と戦う?)、以前のきびだんごで味を占めていた猿に「こんどのだんごは小さくなりましたな」と皮肉を言われる(猿も竜宮城なら楽勝なのに、文句を言わずいついていけや、という話)というのがあり、成功体験の「うまみ」を次からも期待するとひどい目にあうぞという教訓やパロディに使われやすい慣用句といえる。

「味」は舌で感じる感覚のこと、「占める」は専有する、自分のものとするという意味。うまいものを食べて、また食べたいという気持ちが「味を占める」だが、「占める」の専有するという意味合いにより、強い独占欲が感じられる言葉となり、うまかったものをまた食べるために貪欲な行動を起こすというまでが「味を占める」の一連の流れとなりそうだ。つまり、ハチミツに味を占めたプーさんみたいな熊が、養蜂場に忍び込んで巣箱を荒らすというようなストーリーが想像されるのである。

​(VP KAGAMI)

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