つばをつける

　唾を付けるとは、自分の所有権をなんらかの形で示しておくという意味。要するに、欲しい食べ物に唾をつけて他人に食べられないようにしておく行為に例えた言葉である。芸能事務所のスカウトが、気に入った子をメモ帳に記しておくのが「目をつける」、その子に挨拶して名刺を渡しておくのが「唾をつける」、契約にこぎ着けた場合は「話をつける」ということになる。激しい競争社会では、唾をつけたくらいでは、平気で横取りしていく輩が多いので安心できない。なお、回転寿司で回ってきた寿司に唾をつけてもどす行為は、民事訴訟で何億という賠償金を支払いたいという博愛精神のあらわれである。

（VP KAGAMI）