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この日本語辞典の使い方(ホーム)「ね」で始まる言葉>寝耳に水の意味、語源

カテゴリー:慣用句

寝耳に水

ねみみにみず

 寝耳に水とは、「寝耳に水の入るごとし」の略で、就寝時、耳に突然水が入ってくるように、不意の出来事や知らせに驚くさまをいう。「寝耳に水の話だ」という言い方は近年もよく聞かれ、その「話」というのは、取引会社が倒産したとか、娘が突然結婚報告をしたとか、それを聞いた人があわてふためいて大騒ぎする姿が目に浮かぶ比較的コミカルな場面で用いられる。したがって、自分が解雇されたとか身内の不幸の報せなど、シリアスな状況では使わないほうがよいかもしれない。

「寝耳」は寝ているときの耳の意味。寝ている時耳に水が入るというのは、突飛な例えだが、おそらく「寝耳に入る」というのが原形で、耳に入ってくるのは(大きな)音。「水」というのは、もとは大洪水のような大きな音だったのかもしれないが、その意味の例文はなさそうなので、なんともいえない。それでも「水(の音)」ならまだ理解できるが、「寝耳に水」と同じ意味で「寝耳にすりこ木」という言い方もある。すりこ木でゴマでもすっている音が聞こえてきてもなんの驚きもないので、これは「寝耳に水」という言い方が定着して、それなら「すりこ木」も、というただの悪ノリにしか見えない。というわけで、悪ノリ版はいまは完全に忘れ去られている。

 悪ノリ版といえば、近年「寝耳に水」のダジャレで、「寝耳にミミズ」という言い方が一部に出回っている。「水」も「ミミズ」も、寝ているときあまり耳に入りそうもないものだが、「驚き」という意味では「ミミズ」のほうがよいかもしれない(少なくとも「すりこ木」よりはましだ)。

​(VP KAGAMI)

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