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敵に塩を送る

てきにしおをおくる

 敵に塩を送るとは、敵を利する行為を(あえて)とる、という意味。戦国時代、塩の補給路を断たれて困窮していた武田信玄のもとへ、敵対関係にある上杉謙信が塩を贈ったという泣かせる故事に基づいた成語。上杉謙信の行為は、今でいう「人道主義」に基づいたもので、スポーツマンシップのあらわれともいえる。しかし、謙信の臣下にしてみれば、「おいおい大将、かっこつけてる場合か」みたいな気持ちだったに違いなく、現在でもこの成語は、立派な行為という肯定的な意味合いと、ええかっこしい、またはただの失敗を非難する意味合いの両方で使われる。しかし、戦っている最中に、人道主義やスポーツマンシップから相手を利する行為がよほど難しいとみえて、「こんな凡ミスをしやがって、敵に塩を送るようなもんだぞ」など、後者での使い方が多いようだ。(VP KAGAMI)

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