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望みを託す

のぞみをたくす

 望みを託すとは、他者に自分の希望を実現してほしいと願うという意味。「病気で店に立てなくなった私は、息子に望みを託した」などと使う。つまり、自分では不可能なことを、他者に実現してほしいと願うということだが、例文のケースでは、病気にならなければ自分でできたことを息子に託したということなので十分同情に値するし、言葉として重い。しかし「望みを託す」の定義からすれば、ビール片手に野球中継を見ているおっさんが、「9回裏、4番打者に満塁ホームランを打ってくれと最後の望みを託した」としても間違いはないわけで、そのチームの監督が「託す」ならまだしも、見も知らぬおっさんに「託さ」れた4番打者はいい迷惑だし、「望みを託す」という言葉の重みも失われ、言葉の研究者としてもいい迷惑である。(VP KAGAMI)

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