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梟雄

きょうゆう

 梟雄(きょうゆう)とは、勇猛果敢であること、そのような人。基本「英雄」ではあるが、ふるまいや出で立ちが奇矯であったり、善悪の観念に乏しかったり、知略謀略ぶりが度を越していたりというひとクセある人物を指す場合が多く、日本では、南北朝時代の楠木正成や戦国時代の斎藤道三などが「梟雄」と呼ばれている。ただし、「梟」つまりフクロウという名が冠せられているように、夜の間は猛々しく暴れ回るが、結局のところ日の目を見ることができなかった英雄を言う場合が多く、先の定義からすると、織田信長などは梟雄中の梟雄と呼べそうだが、この人の場合はあまりに大成しすぎて「フクロウ感」は失われている。

「梟雄」は古くから中国で使われている言葉で、『三国志』の「周瑜伝(しゅうゆでん)」には、「首領・劉備玄徳は『梟雄』であるが、関羽、張飛は虎や熊のようなヤツらだから家来にはできない」というようなことが書かれている。劉備玄徳は、人形劇を見て『三国志』を知ったようなわれわれにとっては真の英雄にふさわしい人物に感じられるが、敵国の呉の参謀であった周瑜からみれば、こにくらしい「梟雄」という呼び方が適切だったのだと思われる。(VP KAGAMI)

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