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ドクタールソーのワラワラ日本語講座 【第20回】漁夫の利
 

漁夫の利

ぎょふのり

 漁夫の利とは、二者の争いにより第三者が利益を得ることをいう。「A国とC国の対立によりJ国が漁夫の利を得た」(注:A,C,Jはそれぞれアメリカ、中国、日本の略ではありません……って、じゃあ、なんなんだよその略の仕方。それに、日本はちっとも漁夫の利なんか得てね~し)。鴫(いつ:しぎ。鳥の名前)と蚌(ぼう:ドブガイまたはハマグリとも。貝の名前)が争って身動きがとれなくなっていたところ、漁師が容易に両者を捕獲してしまったという『戦国策』の例え話に基づく。中国戦国時代、趙(ちょう)が燕(えん)に進攻しようとしていたとき、燕の国王が攻撃を思いとどまるよう説得するために思想家・蘇代を趙に派遣した。蘇代はこのたとえ話を持ち出し「E国とC国の対立により強大なS国が漁夫の利を得る」(注:E国は燕、C国は趙、S国は秦〈しん〉の略です……って、略す必要あるか?)と趙の国王を説き伏せて無益な戦争を防いだ。

 蘇代が用いた故事は、鷸(しぎ)と蚌(正体不明の貝)との戦いであったため、「鷸蚌(いつぼう、またはいっぽう)の争い」中国語では「鷸蚌相争」として後世に残されている。しかし、「いつぼう」なんて言われてもなんのこっちゃら誰もわからないので、「漁夫の利」というたいへんわかりやすいタイトルが代わりに用いられている。中国人も「鷸蚌」はわからない人が多いのか(どうか知らないが)、「漁人得利」という言い方も併用されている。

 ちなみに、蘇代は「鷸蚌の争い」を、趙に来る途中、川を渡るときに見かけた実話だとして話している(うそや〜っ、みたいな)。都市伝説というものは、こうしてできあがるのだなと感じさせる。

 (KAGAMI & Co.)

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