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無理くり、むりくり

むりくり

 無理くり、むりくりとは、無理やりの転訛で、ものごとを強引に行うさまをいい、「無理くり頭数を揃えた」(不人気のコンサートか?)のように使う。

「無理くり」は最近広まった言葉のようで(たいして広まってもいないかもしれないが)、一般の辞書にはまだ掲載していないものもある。ネットを調べると、北海道や東北地方の方言だとする説が多いが、それが全国的に広まったかどうかは不明としている。もっとも「無理」には「無理やり」「むりむり」のように、なんらかの接尾語を付けて、「無理」であることを強調する言い方がけっこうな数あり、関西地方では「無理から」といった言い方も見られ、「無理くり」もそのバリエーションのひとつとして、あまり影響関係を考えない方がいいかもしれない。私見では、「くり」は「やりくり(遣り繰り)」の「くり」であり、「無理やり」のように「やり」があるのだから、「くり」もどうだというノリでできた言葉のような気がする。

「無理やり」と「無理くり」の違いだが、「やり(遣り)」が手前から向こう側に移動させる、つまり「押す」行為であるのに対して、「くる(繰る)」は「ひったくる」のように、向こう側から手前に移動させる、つまり「引く」印象の強い行為なので、例えば「ドアをこじあける」といった「押す」イメージの強い行為には「無理やり」、「理屈をこじつける」のように、特に「押す」イメージのない言葉には「無理くり」が使われていると考える。

​(VP KAGAMI)

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