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爪痕

つめあと

 爪痕(つめあと)とは、爪でひっかいた傷、傷跡のこと。トラやクマにひっかかれたのなら別だが、人間やネコにひっかかれたくらいでは、たいした爪痕は残らない。しかし「爪痕」は、「戦火の爪痕」「台風の爪痕」のように、大きな被害を表現するのにも、「試合には負けたが、しっかり爪痕は残した」のように、小さな抵抗を表すのにも使われる。おそらく人々はそれを聞いて、瞬時にクマにひっかかれたのか、ネコにひっかかれたのか判断するに違いない(たぶん誰もそんなことは気にしていないと思うが)。

 ところで「爪痕」だが、「戦火の爪痕」「台風の爪痕」とはいうが、「大地震の爪痕」はあまり聞かれないような気がする。ネコでもクマでも爪で攻撃する際は、腕を大きく振りかぶって相手をなぐるので、「戦争」や「台風」のように、遠くからやってきて被害を与え帰って行く感じの災厄に使われやすいのかもしれない。

​(VP KAGAMI)

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