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稽古

けいこ

 稽古とは、芸事などを習うこと。「ピアノのお稽古」「稽古をつける(指導する)」などと使う。「稽」は、よく調べて考えるという意味で、本来稽古とは、学問などで昔のこと(つまり「古」)を学び調べてよく考えることをいった。中国語でも「稽古」は、古事を研究すること、書を読んで学問することの意味で使われている。

 日本の「稽古」はどちらかというと「体を動かす練習」の意味で使われるが、この使い方は平安時代末頃から見られる。このため、芸事の初心者が手引書などを読んで考え込んでいると、「考えてばかりいても上達しませんよ、稽古なさい」などと叱られる。また、現在使われている「稽古」は「お稽古ごと」とひとまとめにされるように、指導者に付いてマンツーマンに近い状態で行われる習いごとをいう場合が多く、これは英語のlessonに近い。また、その指導者が「もっと稽古しなければ上達しませんよ」というのは、自分の教えたことを繰り返し一人で練習して習得しなさいという意味で、英語のtrainingに近い。「稽古」は本来、古(いにしえ)を稽(かんが)えるという意味なので、指導者に教えてもらうというlessonより、訓練するtrainingのほうが実態に近い。しかし、じいさんばあさんの師匠、つまり「古」に、もっと稽古しろ、つまりもっと考えろ「稽」とびしびし責められるという意味にとらえれば、lessonの「稽古」も「あり」かもしれない。

(VP KAGAMI)

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