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細君

さいくん

 細君(さいくん)とは、妻のこと。自分の妻を謙遜していう場合にも、他人の妻を軽く敬っていう場合にも用いる。が、近年使われているのを聞いたことがない。昔の上方の漫才師はよく使っていたようで、録音されたものを聞くと「キミとこの細君だがね(君の妻ですがね)」というようなフレーズがやたらと耳につく(耳にはつくが、まったりとした響きで気分は悪くない)。というわけで当辞典の定義では細君とは、昔の上方(かみがた)漫才師の妻。

「細君」は中国でも使われていた言葉だが、主に文語で、会話ではあまり使われていないようだ。「細」は「小」に同じで、「小生(「私」の意味)」のような謙遜とも受け取れるが、「君」という親しみや敬いをこめた接尾語がついているので、自分の妻にも他人の妻にも使える。女性の配偶者は、全般的に低く見られた呼称を頂戴しているが、「細君」の場合は、「君」をつけることでちょっとおだててみました、といったニュアンスではないだろうか。 「細」は日本語の音読みでは「妻」と発音が同じなので、「さいくん」に「妻君」と当てる場合がある。しかし、中国語では「細」と「妻」」は発音がまったく違うので、日本での当て字と考えられる。とはいえ、「さい」で、「うちのさいがね(私の妻がね」)のように(やはり漫才師っぽいが)、妻を表すことがあり、これは中国語の「妻」から来ていると考えられるので、「細君」でも「妻君」でもどっちでもいいといえばいいようなものである(どうせ、「さい」も「さいくん」も、ほとんど使われないし)。(VP KAGAMI)

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