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臆面がない、臆面もない

おくめんがない、おくめんもない

 臆面がないとは、遠慮したり恥ずかしがったりする様子がないという意味。つまり、「ずうずうしさ」を態度で表しているさま、ツラの皮の厚い人物の平常運転。「臆面」は気後れした表情という意味なので、主に表情について言うが、「臆面もない」と「も」を使うと、表情ばかりかあらゆる態度がずうずうしさで埋め尽くされている、あまりつきあいたくない人物(注:個人の感想です)の様子を表すことになる。

「臆面(おくめん)」は音読みで、いかにも漢語の雰囲気を漂わせているが、中国語にはない熟語。そもそも「臆」は、胸、胸の内(心情)、「臆測」と使われるように主観的な考え、などを意味し、「臆する」のように、恥ずかしがる、気後れするという意味で使っているのは日本だけのようだ。「臆」は、「気後れする」の「後れ」とシンクロした結果(つまり、なぞかけして整ってしまった結果)、日本語で使われている「臆する」の意味が加えられたのではないかと筆者は「臆測」する。

​(VP KAGAMI)

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