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おや

 親とは父母のこと。また、実父母に相当する人。実の親は、すべての人に対して存在する(生死を問わず、また、行方を問わず)。「おや」は、もとは子どもを産んだ人、つまり母親のことを言ったらしいが、すぐに実父も含んで言うようになり、さらに、実の親でなくても、やっかいな子育てにそれ相応の苦労をした人も含むようになった。実の親でない「親」は育ての親などと呼ばれるが、親であることにかわりはない。

「おや」は「老い」と同源であるという説が有力。しかし、だとするとなんだか味気ない語源である。一方、漢字の「親」には泣かせる解釈が付せられていて、いわく「立つ木を見守る」と書いて「親」、つまり子どもが成長するのを見守るのが親なのだとか。しかし漢字研究者に言わせれば、それはウソで、「辛」+「木」+「見」と書く「親」は、その昔(中国で)、神事に使うために「辛(針のこと)」を打って目印とした「木」を伐り出して新しい位牌を作り、それを拝する(「見」)というのが「親」。新しい位牌は親の位牌である場合が多いので、父母に「親」という漢字を当てるようになったという。早い話、最近死んだのが親ということで、その説がもし事実だとすると、日本語の「老い」などよりよほど味気ない語源だということになる。(VP KAGAMI)

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