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謀は密なるをもってよしとす

はかりごとはみつなるをもってよしとす

 謀(はかりごと)は密なるをもってよしとすとは、計略は秘密裏に進めるのがよいという、中国の兵法書『三略』に見える格言。つまり、スパイの需要を喚起する教え。原典は「将謀欲密(将の謀は密なるを欲し)」つまり「軍師の戦略は秘密に立てるべきであり…」となっていて、もちろん軍略について述べたもの。これを日本では「謀は密なるをもってよしとす」と訳して使っているが、頭のよい日本人は「軍略を秘匿するなんて当然すぎるだろ」と考えるせいか、軍略書などには使用例が見当たらず、浄瑠璃や歌舞伎などのチャラい脚本(失礼)に文例が見える程度である。またこの言葉は、「はかりごと」という言葉の響きからか、主に悪事をこそこそたくらむ場合に主に使われていて、正しい行いにも使えて、現代にも通じることわざとしたいのなら「商品開発は密なるをもってよしとす」とか「秘伝のタレは密なるをもってよしとす」などとするのがよいだろう。

​(VP KAGAMI)

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