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財源

ざいげん

 財源とは、収入を生み出すみなもと、元手、かねの出所。「観光収入が市の財源となっている」などと使うように、特に財政の分野で、国家や自治体を運営したり、ある政策を実行に移したりするさいに必要となる金のでどころをいう。

 よく「減税のための財源」が議論の場にあがることがあるが、これは日本語の使い方としておかしい。減税の財源は減税したことにより減った税収でまかなわれるからだ。極端なことを言えば、税金をゼロにしたって、「財源」の心配はいらない。しかし、税金をゼロにしてしまえば、税金分そっくり政府の歳入がなくなり、政府、自治体の運営に支障をきたし、新しい政策がほとんど実行に移せなくなる。「減税するなら財源を示せ」と主張している人々は、実際は「減税により歳入が削減され、まっとうな予算を立てることができない」というようなことを言いたいのである。しかし「歳入が削減される」のは減税が実行されて後の話なので、ことさら「財源」という言葉を持ち出すのは、「その金がなければ政策を実行に移すことができない」という印象をわれわれに与えたいのだと考える。

 確かにわれわれがなにか事業を始めようとしたら資金を調達しなければならず、予算を立てて「財源」を確保しなければならない。減税反対派は、その政策による減収を適当な数字をあげて、それをどうやって埋めるかという説明を推進派に求めているが、先に説明したように、賛成派がそれに答えられなかったからといって、政策が実行に移せないわけではない。事業を始める際の資金とは違い、「財源」は「豊富」にあるからだ。

 政府としては例年通りいい加減な予算を作って(だって、税収の予測など当たったためしがないし、最近はずっと上振れしている)、実行にうつせばよい。減税より税収減が見込まれるというが、賛成派はその減税により増える税収もあるはずだと主張しているので、その見込みも採り入れ帳尻合わせして、例年通りの予算を組めばよい。それでもし、減税により大幅な歳出超過にでもなったら、翌年の予算からなにか対策を講じるというのが正しいやり方だと私は考える。

​(VP KAGAMI)

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