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賽は投げられた

​さいはなげられた

 賽(さい)は投げられたとは、戦闘開始の決断はなされた、あとは運を天に任せて全力で戦うのみ、という意味。「賽」はサイコロ。「賽は投げられた」は、要するに「ギャンブルが始まった」ということ。カエサルが政敵との戦いにおいて、ルビコン川の手前で進撃をためらっていたとき、謎の男がラッパを吹きながら川を渡る姿を神の化身と勘違いして、「ええい、やっちゃえ」とばかりに叫んだ言葉が「賽は投げられた」だという。この決断を含めて、重大な(けっこう無茶な)戦いの始まりを「ルビコン川を渡る」というのも、そこから来ている。「賽は投げられた」はカエサルの創作ではなく、古代ギリシャ時代から広く用いられていたことわざだったようで、ギリシャの喜劇作家メナンドロスはじめ多く引用されている。しかし、重大な一戦でカエサルがこの言葉を使ったため、その戦いの勝利を含めて(まあ、負けてたら名言にもなにもならなかっただろうが)、カエサルの手柄として後世に残されているというわけである。

 以上から得られる結論は、ギリシャ人もローマ人もギャンブルをこよなく愛していたということである。

 (KAGAMI & Co.)

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