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頭ごなし

あたまごなし

 頭ごなしとは、相手の言い分を聞かず、最初から威圧的に決めつけるような態度をとることで、「私の主張は頭ごなしに否定された」などと使う。独裁者の態度そのもののように思えるが、独裁者の場合、否定するような意見を発する者もいないので(そういう向こう見ずなヤツはとっくの昔に始末されている)、この言葉はふさわしくない。つまり、ある程度民主主義的な社会におけるオレ様な人物の態度(いるいる、そういうヤツ)が「頭ごなし」といえる。

「頭ごなし」の「頭」は、最初、冒頭の意味。「ごなし」は「こなす」を名詞化した語。「こなす」は「粉になす」つまり粉にするということで、ものを細かく砕く、土を耕す、穀物を脱穀するなど意でつかわれていて、現代でも、食べた物を消化するという意味で使用されている。このようにものを砕いて有益なものにするというのが「こなす」であり、そこから「仕事をこなす」のように、自分の思うままにものごとを処理するという意味で慣用的に使われる。また、上位の立場で下位の者を権力にまかせて思うままに威圧する、非難するという意味でも使われていたことがあり、現代では、同源と目される「けなす」がそれに当たる。「頭ごなし」はいわば「頭げなし」であり、そう言われれば意図は通じる。(VP KAGAMI)

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