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この辞典の使い方(ホーム)「ね」で始まる言葉>願ったり叶ったりの意味

カテゴリー:慣用句

 

願ったり叶ったり

ねがったりかなったり

 願ったり叶ったりとは、希望したとおりになること、または、目的を達成するのに最適の状況が揃うことをいう。「願ったり叶ったりの好条件を提示されて一発サインした」といえば、年収1億、週休3日、自由出勤くらいの条件が示されたことがうかがえる(そんなおいしい仕事、おいそれともらえるわけはないが)。

「…たり…たり」という言葉は、「行ったり来たり」「出たり入ったり」のように、複数の事象が並行、継続して起こっていることを表す。特に例文のように、行くことと来ること、出ることと入ることが連続して何度も繰り返される様子を示している。そこへいくと「願ったり叶ったり」は、願うことと叶うことが連続して起こっているわけではなく(ドラえもんじゃあるまいし)、「年収1億円」の一発勝負であり、ほかの「…たり…たり」の使い方とは違和感がある。「たり」は、もとは完了の助動詞で、その終止形が並立の助詞として使われるようになったもので、「いつも夫に文句を言ったりしています」と言う妻は、「文句を言う」ことと並行して他にもいろいろな働きかけ(主に圧力をかける働きかけ)を夫にしていることを示している。特に「…たり…たり」のように二つ重なっている場合はその使い方であることが多いが、「願ったり叶ったり」の「たり」の場合は、もとの完了の意味合いがそのまま残っているような印象がある。つまり、カエサルがアナトリアを征圧したさいに言い放ったとされる「来た、見た、勝った」のような意味合いに近いのではないかと考えられる。

​(VP KAGAMI)

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