関連用語
首を振る
くびをふる
首を振るとは、頭部を縦や横に複数回動かすという意味だが、「彼は私の申し入れに首を振って答えた」のように、否定の意を表す動作として使われることが多い。しかし、首を振るで表される動作にはいくつかのバリエーションがあるので、この機会に分析してみたい。
まず、首を横(水平方向)に振るか、縦(垂直方向)に振るかの違いだが、ただ単に「首を振る」と言った場合は横に振る場合を指すことが多く、縦に振る場合は「首を縦に振る」と「縦」を加えないと、相手が理解できない。縦方向への首の振り方については、別項で解説する。
横方向の首の振り方は、大きく3つの動きに分類できる。
否定の意を表す首の振り方は、頭部を傾けず、左右に何度か回転させる動作である。だから本当はこれは「首を回す」という言い方が適当ではないかと思われるが、それだと『エクソシスト』のリーガンか、ナポレオンズ(追悼・小石さん)かと勘違いされるので、正確ではないが「首を振る」で我慢しているのだと思う。
次に、首を左右に傾けて動かす動作がある。「振る」という動作はこの動きにいちばん近く、「旗を振る」は、腕の付け根や肘を軸にして円弧を描くように旗を動かす動作であり、首を振るのも基本的にはこれと同じ動き。つまり「首を傾ける」という動きだが、それを繰り返すと「首を振る」になる。日常でそういう動作をすることはあまりないが、インド映画では、俳優が会話するとき男女問わずこれをやっているのを見かける(一本の映画で2,3人やっている)。
三番目に、首の付け根を動かして頭を左右にスライドさせる動きがある。これは、アメリカの黒人女性が相手をたしなめるときなどにときどき見せる動きで(テレビドラマなどで見る限りの話。実際にやってるかどうかは知らない)、顔の前で人差し指を立てて振りながら、頭部を2,3度スライドさせる。これも正確には「首をすべらす」というのが正しいのかもしれない。この動きは、アレサ・フランクリンあたりがやるとかっこいいが、日本人がまねしてもさまにならず(たぶんリズム感の違いか?)、唖然とされるだけなのでやめといたほうがいい。
(VP KAGAMI)